心理学と一口に言っても、実は学べる学部は意外と幅広いもの。ここでは代表的な学部について、それぞれの特徴から詳しく見ていきましょう。
大学の心理学部は、専門的に心理学を追求する場所。例えば人間の行動に注目した「行動心理学」や、年齢による心の変化を見る「発達心理学」、精神的な病や心の不調に向き合う「臨床心理学」、犯罪者や非行に走る人の心理に着目する「犯罪心理学」など、分野は多岐にわたります。
詳細な学習内容は大学にもよりますが、一般的には「公認心理師」や「臨床心理士」の資格取得を目指す人が多いようです。ただし、公認心理師についての実習や取得は大学院で行われるケースも。目標としたい方は、よく確認しておきましょう。
人間科学部は「人間とは何か?」をテーマに、行動心理学や社会学、教育学を追求する学部。ヒューマンサイエンスとも呼ばれ、心理学に比べると比較的新しい分野ではありますが、総合的に人の心や文化、生活などに踏み込めるということで、早くも世界的に注目されています。
対人関係やメディアからの影響などもふまえ、多角的に”人間”を掘り下げられるのが特徴。大学によっては他学科の授業も受けられるため、知的好奇心が旺盛な人にとっては特に楽しい大学生活になる可能性が高いでしょう。
社会学部は、様々な社会現象を学術的に研究する場所。個人から国家レベルまでその対象は幅広く、政治や経済、環境、歴史、福祉、教育などジャンルも多岐にわたります。心理学もその中に含まれますが、どちらかといえば「社会の中での人間」に着目した分野だと言えるでしょう。
教育学部は、基本的に小中高の「学校の先生」になるための学部。教育学の中には「教育心理学」も含まれ、大学によっては臨床心理士の資格を取得できることもあります。どちらかといえば心理学を自身で研究するより、人に指導する目的で学べる学部だと言えるでしょう。
文学部の中にも、大学によっては「心理学科」を有する場合があります。これは大学によっては学科が複数存在するケースもあるので、それぞれの特徴をよく確認しておきましょう。ただし、学科だからといって学習内容が浅いわけではなく、目指す資格や研究に向けたレベルアップが可能です。
併願校を決める上では、「何を学びたいか、を指標にする」ことが大切。
例えば心理学であればどの分野に力を入れている学校なのか(心の病に対する臨床心理学や犯罪者の心理を追求する犯罪心理学、現代のSNSをはじめ、集団心理を掘り下げる社会心理学など)有名な先生はいるか、どんな授業があるかなどを調べ、自分の目標にマッチした大学かを考えてみましょう。入試に臨む前には闇雲に勉強するのではなく、併願も検討しながら戦略的に対策を練ってみてくださいね。
このサイトでは、併願受験のポイントなどをわかりやすくまとめているので、ほかのページもぜひ参考にしてみてください。
併願の方法には、一般的に書類選考から始まり、面接やディスカッション、小論文など総合的に受験生を判断する「公募推薦」と、大学入学共通テストおよび当日の学力試験の結果が重視される「一般選抜」があります。
共通する戦略としては、可能な限り「合格確立の高い大学から受験する」こと。これは高校や塾で「A判定」をもらっているような安全圏の大学ですね。
併願校であっても前述した通り公募推薦等で早めに合格しておけば、少なくとも大学生として自分がやりたい勉強はできるんだ、と安心できますし、自分ならできる!という自信にもつながるはずです。
公募推薦は、高校3年生の12月までに受験を終わらせて、大学生になれるという保証が欲しい!と考えている人に向いています。日程的には一般選抜より先に結果がわかることも多いので、併願で先にこちらの試験を済ませておけば精神的な安定にもつながるはずです。
ただし、公募推薦の注意点は「一般入試より日程が早い」ことでもあります。学科試験だけでなく面接や小論文、ディスカッション、自己アピールといった内容を求められるのが一般的なので、遅くとも夏休み明けの9月から試験対策を始めるのがおすすめだと言えるでしょう。
出願期間 | 11月~ |
---|---|
試験日 | 11月~12月頃 |
合格発表のタイミング | 1月下旬~2月上旬 |
私立の場合、念のため併願校をなるべくたくさん受験しておこう!と思う方もいるかもしれません。しかし、受験はどんな方法であってもプレッシャーや労力がかかるもの。欲張りすぎて第一志望の試験日に十分なポテンシャルを発揮できなかったり、体調不良を引き起こしてしまったりしては本末転倒です。第一志望に受かるのが大事!と割り切って、併願校は無理のない程度の数に押さえましょう。
進学を機に地元を離れる予定の人もいるかと思いますが、ホテルや飛行機、新幹線などを予約し、荷物をまとめて出かけて…という流れだけでも体力的な負担になります。遠方に併願したい大学が複数ある場合は、なるべくスケジュールをまとめられないか検討してみましょう。
こちらも共通の注意点ですが、試験日程は傾向として2月に集中しやすいのが特徴。併願校が多すぎるとプレッシャー的にも体力的にも無理がかかり、満足にポテンシャルを発揮できないリスクも出てきます。目安は「連続受験は3日まで」。これを超えると身体的・精神的に限界を迎えてしまう人が多いと言われているため、心や身体を守るために無理のないスケジュールを組んでくださいね。
出願期間 | 1月~2月頃 |
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試験日 | 2月~3月頃 |
合格発表のタイミング | 3月上旬~3月下旬 |
大学受験においては、第一志望および併願校について「出題傾向をチェックしておく」ことも大切。幅広い過去問を掲載している「赤本」や、より解説が詳しい「青本」、「黒本」などを活用し、繰り返し解くことで自信を付けましょう。
また、志望校の口コミを確認し、実際に通っている人々のコメントから具体的なキャンパスライフのイメージを膨らませるのもおすすめです。
心理学は、人間が誰しも持っている心の仕組みを理論的に研究する「基礎心理学」と、それを前提としてさらに世の中に役立てられるよう深掘りする「応用心理学」に分かれるのが特徴。
例えば心理学のイメージとして代表的な「心の病にどうはたらきかければ改善が見込めるか、を考える」といった行為は応用心理学の一種で、臨床心理学と呼ばれます。ここでは双方の違いや具体的な研究内容について、詳しくご紹介しましょう。
大学受験では、第一志望の他にある程度安全圏の大学をいくつか受験し、選択肢を増やしておくのが一般的。これを「併願」と言いますが、もしかしたら入学するかも、と考えると学校選びは慎重に行った方が良さそうですよね。
そこでここでは、併願校を受験する際の対策について詳しくご紹介。大学の決め方や試験内容の違いなどを確認し、本番に備えましょう。
大学受験は学校によって試験日程が決まっているため、併願する場合は第一志望とダブルブッキングにならないよう気を付けなければなりません。
また、被らないからといってあまりにも詰め込み過ぎると、プレッシャーや体力的な面で厳しいケースも。そこでここでは、実際の大学を例に適切なスケジュール管理や日程調整の対策を考えてみましょう。
このように、心理学を学べる学部や併願対策はさまざま。選択に迷った場合には、臨床心理士になるために院へ行きたい、心理系の知識を活かしてこういう仕事に就きたいなど、目指す職業のイメージから膨らませるのも良いかもしれません。
下記のページでは心理学系の学部で取得できる資格や就職先などをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
併願受験で狙うべき!
心理学が学べる
関西の大学【3校】
ここでは、心理学が学べる関西の私立大学のうち、偏差値が45以上で公募推薦を2教科だけで受験でき、大学院で「公認心理師」資格*が取得できる3校を紹介。各大学の先輩が入学を決めた理由も参考にしてみてください。
※各校2025年度入試の情報を紹介しています。最新情報は公式HPをご確認ください(2024年6月調査時点)。
*「公認心理師」資格は大学院へ進学し、必要な科目を修了することが条件となります。詳しくは各大学の情報を確認してください。
近畿大学
総合社会学部
「公募推薦」※2025年度入試 参考
2教科受験
+調査書
外国語+国語or数学
(各教科100点+調査書)
「一般選抜」※2025年度入試 参考
3教科受験
ほか
外国語、国語+選択教科から選択(各100点)
CHECK
先輩が「近畿大学」に
入学を決めた理由
参照元:第11回(2023年度)テレメール全国一斉進学調査の回答より集計(https://telemail.jp/shingaku/p/shingakusurvey/result.php?code=0535&gc=10001978&ga=gaku)
近畿大学 総合社会学部の
<4年間>にかかる費用
合計:4,816,000円
(初年度1,361,500円、2年次1,131,500円、
3年次1,151,500円、4年次1,171,500円
※初年度の金額は入学時納入金を含む)
参照元:近畿大学公式HP
(https://kindai.jp/exam/expenses/list/)
近畿大学 総合社会学部
心理系専攻の【偏差値】
52.5~57.5
参照元:スタディサプリ進路
(https://shingakunet.com/gakko/SC000218/nanido/)
近畿大学 総合社会学部
入試情報
公募推薦(2024年度実施参考)
⼀般選抜(2024年度実施参考)
※そのほかのテスト方式は
公式サイトをご確認ください。
参照元:近畿大学公式HP
(https://kindai.jp/exam/system/)
大阪経済大学
人間科学部
「公募推薦」※2025年度入試 参考
2教科受験
+調査書
英語、国語、数学から
選択(各教科100点+調査書)
「一般選抜」※2025年度入試 参考
2教科受験
ほか
英語、国語、数学、
日本史/世界史から選択(各100点)
※必須科目はありません
CHECK
先輩が「大阪経済大学」に
入学を決めた理由
参照元:第11回(2023年度) テレメール全国一斉進学調査の回答より集計(https://telemail.jp/shingaku/p/shingakusurvey/result.php?code=0509&gc=10001551&ga=tmsslist)
大阪経済大学 人間科学部の
<4年間>にかかる費用
合計:3,883,000 円
(入学金:270,000円、学費:3,560,000円、
諸経費:53,000円)
参照元:大阪経済大学公式HP
(https://www.osaka-ue.ac.jp/campus/expenses/)
大阪経済大学 人間科学部の
【偏差値】
45.0
参照元:スタディサプリ進路
(https://shingakunet.com/gakko/SC000384/nanido/)
大阪経済大学 人間科学部
入試情報
公募推薦(2024年度実施参考)
⼀般選抜(2024年度実施参考)
※そのほかのテスト方式は
公式サイトをご確認ください。
参照元:大阪経済大学公式HP
(https://www.osaka-ue.ac.jp/campus/expenses/)
追手門学院大学
心理学部
「公募推薦」※2025年度入試 参考
2教科受験
+調査書
英語+国語
(各教科100点+調査書)
「一般選抜」※2025年度入試 参考
3教科受験
ほか
英語、国語+選択科目から
選択(各100点)
CHECK
先輩が「追手門学院大学」に
入学を決めた理由
参照元:第11回(2023年度) テレメール全国一斉進学調査の回答より集計(https://telemail.jp/shingaku/p/shingakusurvey/result.php?code=0499&gc=10001860&ga=tmsslist)
追手門学院大学 心理学部の
<4年間>にかかる費用
合計:4,872,000円
(初年度納金:1,242,000円※入学金含む
2年次以降:1,210,000円※諸費含む)
参照元:追手門学院大学公式HP
(https://nyushi.otemon.ac.jp/guide/fee.html)
追手門学院大学 心理学部の
【偏差値】
45.0~50.0
参照元:スタディサプリ進路
(https://shingakunet.com/gakko/SC000152/nanido/)
追手門学院大学 心理学部
入試情報
公募推薦(2024年度実施参考)
⼀般選抜(2024年度実施参考)
※そのほかのテスト方式は
公式サイトをご確認ください。
参照元:追手門学院大学公式HP[PDF]
(https://nyushi.otemon.ac.jp/admission/pdf/guide2024_p05.pdf)
【選定条件】
近畿エリア(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県)にある私立大学のうち、偏差値40以上60未満(*1)で、大学院において「公認心理師」資格が取得できる20校を調査。そのうち、公募推薦を2教科だけで受験でき、公式サイトに該当学部の在校生口コミがあり、2024年度入試での公募推薦型募集人数が35名以上で(*2~3)、かつ偏差値45以上の3校をピックアップしています。(2024年1月調査時点)